第九十七話「繋がる喜び」




 室内がいつもの明るさだったから、状態が丸見えなのだ! 私は一気にシュボボボ~ッと沸騰したヤカンのように上気する。だってだってだってだよ? キールとガッチリ繋がったままなんですけどぉお!!

 ――な、なんという事だ! 眠っている間も繋がっていたのか! な、なんて大胆なんだ!

 変に動揺して動いてしまうと、繋がっている部分から小刻みに快楽が広がり、その度に甘い声が零れてしまう。

 ――や、やだぁぁ、ど、どうしよう。

 身動きが取れず、ぴとってキールの胸元に蹲っていると……。

「気が付いた?」

 いつの間にかキールが目を開いていて、私を覗き込んでいた。

「キール、起きていたの?」
「たった今、目が覚めた」
「な、なんか繋がったままだよ」
「ん、せっかく繋がったのに、離すのもったいなくて」

 柔らかな笑顔を見せて応えるキールに対し、私はあまりの恥ずかしさで、彼から視線を逸らしてしまう。

「一旦離そうよ?」
「なんで?」

 急に不機嫌な口調に変わったキールに、ヤバイと思った私は咄嗟に視線を合わせる。

 ――うわ、表情も険しい。すんごぉく怒っているぞ。

 私が困惑してたじろいでいると、

「ひゃあっ」

 キールがいきなり私の躯を自分の上に持ち上げた。私はうつ伏せの体勢でキールの上に跨いでいる格好だ! 急に体勢を替えられて、繋がっている部分から衝撃が走って力が抜け落ちてしまう。

「やん!」

 恥ずかしくて視線を逸らしていると、キールに頬をガシッて両手で持たれ、無理に視線を合わせられる。

「今、言ったばっかじゃん? せっかく繋がったのに易々と離さないって」
「で、でも! やぁぁん」

 抵抗を見せた私に苛立ったのか、キールは繋がった部分を大きく突き上げた。とんでもない快楽の波に打たれて、私の躯が大きく仰け反る。

「嫌って言ってるわりには寝ている間もしっかりと濡れたんだけど? オレが離さないっていうよりは自分が咥え込んで離さないんじゃん?」
「な……なに……言って? うわぁぁんっ」

 またしても結合部を突き上げられて、さらに両胸の突起を摘まれ、クリクリと擦り上げ、なんとも言えない快楽が襲い掛かる。

「や、やめてよぉ、酷いよぉ」
「酷いのどっちだよ? 契りの唱えを終えたら眠ってくれちゃってさ。こっちは生殺しのままで、起きていたら無理に犯しそうだったから、理性を抑えるのに無理やり寝たってのに」
「そう言われても、好きで寝ていたわけじゃ……」
「我慢してた分、ヤラせろって」

 ――ストレートだなぁ、もう。

 キールの素直な気持ちに、怒る気力が無くなっちゃったよ。

「じゃぁ、せめて上は嫌。これが初めてなんだから、キールが上になって?」

 私の言葉にキールは繋がったまま、器用に体勢を交代させた。キールの獲物を狙うような眼光を目にして、彼が本気なんだと伝わってきた。

「痛かったら無理しないで言って?」
「うん、有難う」

 我慢していたって言ってたから、理性噴き飛ばしてぶつけてくるのかと思ったけど、優しいんだな。キールは私の両膝を立てて広げ、腰を引いてゆっくりと沈めてきた。

「ふあぁぁ! やん、あんっ!」

 部屋が明るいから繋がっている部分がよく見える。それが返って興奮するんだろうけど、恥ずかし過ぎて視界を閉じてしまう。キールの腰の動きはゆっくりとゆっくりと律動的に繰り返されていた。改めて繋がる喜びと感動がより躯の熱を上げ、興奮と快感を高めていく。

「痛い? 苦しくない?」

 気持ち良いのにまだ余裕がなくて、私の表情が少し硬かったのかもしれない。それをキールは心配しているようだった。

「はぁ……ううん、痛く……ない……はぁぁん、同じリズムが……心地……良くて……気持ち良い」

 キールが最大に気を遣って緩慢な動きをしてくれているのが嬉しかった。

「無理しなくていいよ?」
「大丈夫」

 私は微笑みながら答えた。気を遣っているつもりはなかった。大きな快楽に余裕もなかったし。それからキールに両足を大きく左右に広げられる。

「え?」

 さらに熱塊が奥へと入り、より深部を突かれる。

「やぁぁん! お、奥に……当たって……るぅ」
「くっ、締まりがいいな。ヤバイ……」
「やぁぁん!」

 キールは快感からか、息を乱し絞り出すようにして声を上げる。それが妙に私の躯を疼かせた。しかも足を拘束されて抵抗出来ない体勢に興奮が高まる。私は瞳を潤ませて恍惚状態となった。

 潤いは繋がった部分からも感じた。ニ人の情液が混ざりい合い、グチュリヌチュリと刺激的な音が響く。私の羞恥と恍惚な表情が深まると、今度は花芯を弄り始められる。

「え?や、やだ、それダメ! そ、そんな事しないで」

 腰を突かれたまま花芯の皮をひん剥かれ、擦り上げたり、振動を与えたり、捏ねくり回したりと執拗になぶられる。

「やん、ダメ! はぁぁん、あん、あん、やぁん!」
「ここ大きくなって充血してる」

 昂りによって姿を変えた花芯はキールの気持ちを高揚させているようだった。集中的に迫られて、神経が痺れ足の爪先から頭のてっぺんまで、快楽に支配されて頭の芯が犯される。

「ダメ……もうっ……」
「締まりが強くなってる。それに表情気持ち良さそう。そんな状態になられて止めるヤツなんていないって」
「ん、んん! んあぁぁん、いやぁぁ、あん、あん、あん、あぁぁん!」

 なにかから弾けて私は快感に身を委ねた。もう微塵の余裕もない。それなのにキールは私の脚を色々な角度や向きにしては、

「ここ気持ち良い? それともここ?」

 と、微妙に挿入角度を変えて、気持ちの良い場所を探り当てようとしてくる。グヂュヂュヂュと秘所に難なく沈む熱塊を打ち突かれる度に、情愛を送り込まれているようで、迸るような熱さを感じた。

「あん、あんっ……んぁぁん、はん……あぁぁん、ひゃん、あんあん!」
「……まだイカせない」
「え?」

 キールは行為を止め、熱塊をスルリと離した。

「え?」

 急に熱から覚めて喪失感に見舞われた私は信じられないという眼差しをキールに送る。

「すぐに挿れるって」

 そう言った彼は私の両足を自分の肩に乗せ、グッと挿入する。難なく熱塊を受け入れられた。キールが前屈みの体勢になると、私の足が上がってエビが屈曲したような恰好となった。さらに熱塊が真上から深く入り込んできたのだ。

「や、やぁぁん!」
「オマエ、奥感じやすいな? すげー締まりが良い。この体勢ならかなり深くに突かれて気持ち良いだろう?」
「は、恥ずかしいよぉ」

 体勢も恥ずかしのに、屈んだキールの顔が間近にあって気が気じゃ入られない。

「素直に感じてろって。もっとエロイ声も出して」
「やん!」
「はぁ……はぁ。ヤバイ……締まり良すぎて絞り取られそう」
「そ……そんな…事……しない……よぉ」

 見つめられるキールの陶然とした表情を目にすると、欲情に煽られる。腰の動きも速まり、お互いの息遣いも獣のように荒々しくなり、汗が流れ落ちる。

「はぁぁん、はんっ、キールも……気持ち……良いの?」
「あぁ、すげー気持ち良い。千景の中、あったかくて蕩けそうだ」

 お互い汗で濡れた躯に熱が上気し、繋がった奥までも熱くて蕩けそうだった。キールの素直な気持ちを吐露してくれて、私の心はジワジワとした温かさが吹き込み、思わず大胆な発言をしてしまう。

「はぁ……いいよぉ……もっと……もっと……きて」
「そんな……事……言うと……手加減しない」
「うん……いいよぉ」





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