「フリルやレースのあるデザインがいいって事?」
「そりゃぁな。そっちの方が色気あるし」
「ムゥー」
私は思いっきし苦い顔をした。私にとってはこのオパンツは超お気に入りなのだ。大好きな動物柄のワンポイントオパンツを見ると、ウハウハな気分になる 。でも確かに色気となると、このオパンツは欠如していた……。
私は急にシュンとした気持ちに陥った。大好きなオパンツを否定されたからだ。こんなに可愛いオパンツなのに、どうして魅力がわからないのだ。……ん? でも待てよ? よくよく考えてみれば、キールはなんでフリルやレースといったオパンツがいいと言えるんだ?
それってそういった物を実際に目にしているから言えるんだよね? つぅ事はだ……。私はメキメキと込み上げてくるモノを感じた。
「そういえば、キールって夜な夜な女性達とエッチしてきたから、さぞかし多くの色気あるオパンティーを目にしてきたんでしょうね!」
「あぁ、まぁ」
ッカーなっまいきな! まだ十七の子供が抵抗なしに答えやがったよ。その年の男子なら普通恥ずかしがる素振りがあってもいいよね。これだから無駄に顔がイイヤツは! こんの色情狂め! 私はさらに怒りバロメーターが上がり、思いっきししかめっ面をしてキールを見ていた。しかし……。
「オマエみたいな妖怪柄を穿いてる女は見た事がない」
さらにだ、キールは私の大好きなオパンツを遠回しな言い方をして非難してきた。その言葉に私はプッツーンときた。
「フンッ、キールとエッチした女性達はそういう目的があったから、色気のあるオパンツを穿いていたのかもしれないけど、私はアナタとはそういう関係ではございませんので」
「なんだよ急に? つぅかそんな柄のショーツ見たら気持ちが萎えるけどな」
キールは半ばバカにしたように目を細めて言い返してきた。ッカー!
「フ――――ンッだ、だったらエッチな事しようとすんなよな! これからは毎日動物柄のオパンツを穿いてキールの気持ちを萎えさせてやる」
私は完全にあったまにきてキールの肩をボンボンと叩き押し退けながら吐き捨ててやった。
「人がやめろって言ってる事を故意にしようと、オマエ低俗だな」
キールもマジ切れたのか、かなりきつい口調をして言い返してきた。
「フンッ、低俗なのは手当たり次第、女性達とエッチな事をしてきたキールの行いだっての」
私も負けずと言い返した。なんかさっきから否定してきてばっかでさ。大好きなオパンツからしまいには私自身まで。自分の事は棚に上げておいてよく言うよ。
私とキールは互いにいがみ合うような険しい表情をして見つめ合っていたけど、その内キールが、
「あぁ、そうかよ」
今まで聞いた事のない低く冷めた口調で言い放った。そして彼はそれ以上なにも言わず、私に背を向けて浴室へと入って行ってしまった。私はフーンだ、と鼻息を荒くしてキールの背中を睨んだ。
――今回の件は私はなにも悪くないもんね!
この後、私とキールは一言も口を聞かず翌日を迎えた。いつもちょっとした言い合いになっても自然といつも通りに話をしていたから、特に私は気にしていなかった。
だけど、あの時を境にキールは私に対して距離を置くようになった。最初は私もプイッとした態度でいたけど、日に日に溝が深まっていくのにいたたまれなくなって、私の方から折れてしまった。
煩わしいそうにあしらうキールの態度に私はどうしたらいいのか涙ぐんでいたら、キールからある条件を出された。その条件とは……。大好きな動物柄のオパンツ達と永遠のお別れをする事になったのだった……。
バッドED2「大好きなオパンツと永遠のお別れ」 :キーワード④「d」
http://romancer-for-you.jp/wazawainohime/multi-①②③④.html
キーワードを①から④まで並べてURLを完成させると、新たなストーリー「エクストラED」へと続きます。