番外編①「素直になって」




 指はフリルとレースにあしらわれた可愛いショーツの上から襲い、すぐに私の躯に反応が表れた。指は花芯を擦ったり、摘み上げようとしたり、ショーツが入って間接的とはいえ、十分な刺激であり、躯は震えて口元から甘い声が零れ落ちていく。

『やぁ、あん、んぁぁ』

 暫く律動的な動きが続くと、秘所から潤いが染み渡っていくのを感じていた。そんな頃、好き勝手に弄んでいた指がズンッと花びらを割って膣内の奥へと沈まる。

『やぁあっ』

 内奥から手前へと出し入れが繰り返される。指も一本から二本、そして最後には三本と増やされ、刺激が強くなる一方で快感も広がっていく。

『やっ、やぁぁん、あんっ、深くに挿れないでよぉ』
『躯はそうは思ってないみたいだけど?』

 キールは全く聞き耳もたずだった。私が堪えられなく瞳に水膜を張って訴えているというのに、それも虚しく指は翻弄し続けていた。

『やだやだぁあ、あんっ、あぁぁん』

 キールは悦楽の色を浮かべて面白がっていた。以前もそうだったけど、私がやめてって言えば言うほど、もっとされちゃうのだ。手を出されたら、もう身を委ねるしかないってわかっているけれど、羞恥心は拭えない。

 いつしか私の心に諦めが入り、抵抗が薄れたのをいい事に、指は深部まで入り込んで、絶え間なく責め続けた。その内に神経が痺れてきて、息苦しさを感じるようになる。

『はぁあん、んぅぅ、う、うぁあん』

 甘い声というよりも呻き声に近くなった。実はさっきから物足りなさを感じていた。ショーツが間に入って刺激はあるものの、じかに触れて欲しいという厭らしい思いが生じ、今すぐにでも消えてしまいたい。欲望を口には出せない。葛藤がより私の頭と心の中を乱していく。

『あん、あん、あぁぁん』

 暫く室内には激しく弾かれる水音と私の嬌声が響いていたが、ふと膣内から重々しい質量が失われた。キールの指がスルリと離れたのだ。

『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ』

 呼吸の通りが良くなり、私は規則正しく息を整えようとしていたが、いきなりスルッとショーツを下ろされてしまう。

『やだっ』

 プルンとしたお尻が剥き出しになる。それが恥ずかしいと思うよりも、

『すっげー蜜がベットリついて糸引いてんじゃん』

 キールの言葉に辱められる方が堪え難くて、私は顔ごとソファの上に蹲った。その間もキールからグイッとお尻を掴まれて、割れ目を開かれそうになる。

『ちょ、ちょっと、もうやめてよ』

 私は恐る恐るキールへと視線を向けて怒りをぶつけるが、躯に浸透している甘い余韻に酔わされていて、言葉に凄みが出ない。

『ねえ、膝立てて脚を広げてよ?』
『え?』

 キールが私の言葉をスルーして、またとんでもない事を口走ったものだから、私は耳を酷く疑った。微動だに一つ出来ず硬直としていたら、キールから無理に脚を開かされる。

『ちょ、やだぁ!』

 さっき言われた体勢にさせられ、お尻の割れ目まで開かされる。

『だいぶ開いてんな。蜜がすげーベッタリ』
『やぁっ、間近で恥ずかしい所を見ないでよ! それに誰がそうさせたんだよ!』
『じゃぁ、責任取らないと』
『え?』

 驚いているのも束の間、突然舌を差し入れられる。

『やぁあっ』

 咄嗟に私は躯を引き離そうとしたら、キールからガシッとお尻を掴まれ、逃れられないように拘束される。大きくお尻の割れ目を開かされ、舌は秘所の膣内へと一気に滑り込んだ。

『やぁぁん、や、やめてよぉ』

 そんな言葉が通じないのはわかっているのに抵抗を見せると、舌の動きを悪化させた。舌は責める場所を特定せず、ありとあらゆる場所を這い回った。

 優しく撫でるような動きから、舌を尖らせ突っつく俊敏な動き、またはネットリと絡みつくなど、強弱を付けながら衝撃的な快感を送り続けてくる。

『あんあんあんっ、あぁぁん! やぁ、はぁはぁ』

 駆け上がってくる快感に意識がぶっ飛んでしまいそうになる。それなのにわざとヌチュリピチャリと厭らしい音まで洩らされる。

『もう、ほん……と……やぁぁん……許……して』

 躯が酷く打ち震える。幾度も流れ込んでくる快感の波に呑み込まれっぱなしだった。

『ひゃぁあっ』

 だが私の思いとは裏腹に新たに指を加えられ、その指は真っ先に花芯を狙って擦り上げた。

『本当にやめてよぉ!』

 涙で視界がぐにゃりと歪む。怒気を孕む私の姿を目にしたキールは一度舌を離したが、また平然として言う。

『自分で気付いてないの? 前から責めるより、後ろからの方が締め付けいいって事』
『し、知らないよ、そんな事!』

 顔から火が燃え上がる! こんな無理矢理にされて嫌がってる姿を見せているのに、キールには実は私が感じているって気付かれているんだもん! 再びキールから舌を差し込まれ、指は花芯を甚振るような淫らな動きを始める。

『あぁぁん、二ヵ所からはやめてよぉ』

 溢れて滴る蜜を舌が秘所全体へと纏わり付かせ、さらに泥濘ぬかるみが深まっていき、指は執拗に花芯を責め続ける。

『あん、あん、あんあぁぁん、はぁぁん、いやぁ!』

 嬌声が止まらない。それをもう気にしていられないぐらい気持ち良かった。あれだけやめて欲しいって思っていたのに、今はもっともっと責めて欲しいって思ってしまう。そんな思いが伝わったのか、舌と指はより巧みな動きとなって私を昇り詰める。

『あぁんっ、イッちゃうよぉ』
『ちゃんとイカせてやるよ』

 込み上げる高揚と快感によって、思わず気持ちを吐き出すと、キールが誘うような甘い美声を落とすから、耳朶の奥から犯されているような感覚に陥る。指は最奥で激しく掻乱し、グチュッグチュッヌチュッヌチュッと凄絶な音が部屋中を震わせる。

『ひゃっぁああ!』

 眼裏に激しく散る火花が映った私は達しを迎えた。私のエクスタシーを確認したキールは指を徐に離すと、ドサッと私の躯は倒れた。ドロッとした白濁した蜜が流れ落ちる。

『はぁ、はぁ、あんっ、はぁ……』

 く、苦しい、完全に酸欠状態だ。再起不能、暫くは動けないぞ。私はなんとか肩で息をしていた。

『このままぶちこみてーな』

 背後からキールの言葉を私の耳朶が震える! 私はキールへと視線を泳がせた……。





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