Please4「蜜夜から解放されたい」
「きゃっ」
前向きに意気込んでいたところに、いきなりアクバール様から腕を掴まれ、勢い良く背中を寝台へと沈められる。あっという間に私は倒され、目の前には私の躯を覆うアクバール様の姿があった。なんていう俊敏な行動なの!
「な、何をするのですか!」
「何をって決まっているだろ?」
倒されてすぐに私はアクバール様に文句をぶつけるが、彼は当然の如くといった表情を覗かせていた。これから彼が何をしようとしているのか、予想はついていた。
「わ、私はそんな気では…」
私はアクバール様から、露骨に視線を背けて伝える。自分でも顔が恥じらいを霞めているのに、気付いていたからだ。
「ひゃぁっ」
視線を外していたのがまずかった。気が付けば、アクバール様の右手が悪さをし始めていた。蜜ですっかりと浸潤している私の花芽を軽やかに弾き出す。彼の指の腹が擦れる度に、直接頭に甘い快感が響き渡る。
「あんっ、あんっ」
花芯を何度も弾かれてしまえば、恐ろしいほどの快感が躯中へと浸透していく。頭の中は強い麻酔をかけられたように真っ白となり、何も考えられない。それなのに勝手に洩れる自分の嬌声を抑えたい!その気はないのに、これではアクバール様の思うツボではないか。
「どうした、レネット?その気ではないと言っていた筈だが?」
「んっ…」
案の定、彼から痛いところを突っ込まれてしまう。私は苦虫を噛み潰したような表情をして、双眼を潤ませる。そんな私をアクバール様は実に楽し気に見つめていた。私は恨めしい気持ちを抱く。
「本当はオマエもその気だったんじゃないのか?」
「ちっ…違い…ます」
「そうなのか?見せてやりたいな、今のオマエの姿。股を大きく晒し出して、快楽を貪っている姿は淫乱そのものにしか見えないな」
人の羞恥心を煽ろうと、またとんでもない卑猥な事を言われる!
「やぁっ、ちがっ…んあぁっ」
私が即否定しようと口を開こうとした瞬間、花芽により刺激が圧 し掛かり、眼裏にバチバチと火花が散った。
「あんあんっ、それ…だめっ!」
痛み以上に感じる快楽は危険すぎる。アクバール様は私の意思に反した行為を平然として続け、花芽を何度も追い詰めて、思うがままに翻弄していた。
達しが近い所まで来ているのに、さらに花芽の包皮を剥かれてしまい、素の秘玉が転 び出る。それから湧き出ている蜜をネットリと絡まされると、私は一層に甲高い声を上げた。
「んあっ!ゃ…ぁあん」
何度も躯が跳ね上がる。その内に追い詰められていく自分の姿が見るに堪えず、頑に目を瞑る。健気に責められている私なのに、アクバールは容赦ない。それが急に動きを緩慢された。さすがに彼もやり過ぎたと気付いてくれたのか。
だが、そんな考えはとんだ間違いであったと後悔させられる。彼は次の行動を考えていたのだ。酷く濡れそぼった秘裂を割って、質量を沈ませてきた。ヂュブッと膣内で摩擦する水音と共に、指は難なく吸い込まれていった。
「あぁ…っん!」
さっきとは異なった甘い媚薬を送り込まれる。何度私が啼けば、彼は満足して止めてくれるのだろうか。私は今日、花が開いたばかりだと言うのに、彼はとんでもないドSだ。こんな獰猛とした人だなんて、本当に騙されていたとしか言いようがない。
気持ちでは彼を拒否りたいのに、躯は従順に行為を受け入れてしまっている。気持ちと躯が相反していて、もうどうしたらいいのか分からない。いや、それよりもどんどん覆い被さる快楽の大波に、そんな迷いすらどうでもよくなってきていた。
「気持ちいいか?」
何かアクバール様から問われたような気がした。でも今の私は快楽を受けながら、懸命に酸素を取り込むの事に必死であり、彼の言葉が上手く聞き取れなかった。
「気持ち良くないのか?」
もう一度、問われたような気がした。なんとか内容を聞き取る事は出来たが、答える事が出来ない。それに気を悪くさせてしまったのか、彼がまた思わぬ行動へと出た。
「だったらこれならどうだ?」
「ふぁ…ああんっ!」
躯が大きく仰け反った。膣内で水音が激しく波打つ。アクバール様の指の動きが容赦なく蠢き始めた。背が寝台へと戻ると、私は息を詰めて悶えに堪えていた。
「まだ気持ち良くないか?」
「やぁ…っぁん」
アクバール様はここまでやっておいて、まだ質問の答えを聞き出そうとしているのか。違う、ここまでやったからこそなのだろう。うぅ、ドSはネチっこいのか。私は口では答えず、目をうんと潤ませ、砂を噛み砕くような苦り切る表情をぶつけて訴える。
―――え?
一瞬、垣間見たアクバール様の不敵な笑み。嫌な予感でしかない。
「んぁああんっ!」
喉が裂けるような叫声を上げた。胸に抱いた不穏に間違いはなかった。膣内にグッと重量が増し、指がもう一本沈んできた事に気付いた。抽迭の速度を上げられ、ガンガンに打たれる。
「やぁんっ、はぁんっ、だめっ」
呼吸が乱調し、頭の中が意味も分からず混沌する。完全に思考が吹き飛ばされてしまったのだ。
―――もう無理!
本当に躯が壊れてしまう。激しい抽迭が駄目なのか、それとも恐ろしいほどの快楽に堪えられないのか、どちらにしても初心者の私には行き過ぎた行為だ。だというのに、またアクバール様から信じられない言葉が落とされる。
「まだ駄目か。なら…」
「んっあぁ―――!」
断末魔の如く、声が張り裂けた。新たに指を増やされ、最奥まで一気に攻め込まれのだ。三本の指が膣内全体へと激しく蠢く。さっきまでの無理なんて比較にならない。雄芯を埋め込まれたような感覚だ。
アクバール様は私の感じる場所を的確に穿つ。こんな獰猛に責められて苦しい筈なのに、快美感に思えてしまう自分の躯はどうかしている。それだけアクバール様にテクがあるというのだろうか。
快楽に呑まれ続け、私の躯は酷く打ち震えていた。もうここまでくれば、早く達してしまいたいと淫らな考えさえ生まれる。ちょうどその時、アクバール様の指がある場所へと狙いを定めた。
彼の指の第二関節が手前に曲げられたのだ。今まで感じた場所とは異なり、違和感を覚える。指は行き着いたその場所を一心不乱となって責め始めた。初めは妙な感覚でしかなかったのだが、徐々に気持ち良さが滲み出てきた。
「あんっ、あぁんっ、んぁっ!」
指の速度が上がると、堪 らない快感に変わり、今度は躯にヒクヒクと痙攣が起き始める。自然と秘所から、ある波が迫 り上がってきたのを感じた。
―――あ、もう達する!
「んぁあんっ、き、気持ち…いいっ!もう…こ、壊れちゃうっ!」
イク寸前を察した私は思わず胸の内を吐露する。刹那、アクバール様の指が機敏に引き抜かれた!
「ふっ…あぁああんっ!」
私の嬌声と共に、膣内から熱い飛沫が放散された。その透明な液を目に映した私は大きく動揺する!
―――な、なに今のは!
それからガクンガクンッと躯が波打ち、派手に達しを迎えた。私は糸が切れた操り人形のように虚脱感に見舞われていた。
「はぁ、はぁ、はぁ…い、今のは…?」
息も整わない内に、私は問うていた。今の液はどうみても…。
―――もしかして…もしかしなくても失禁した!?
とんでもない事をしてしまったと私は顔からマグマを噴火させる。有り得ない!初夜に失禁しただなんてドン引きものだ!私は恥ずかしさのあまり、俯せになって顔を寝台に埋め込む。
「今の飛沫はオマエが思っているものとは違うから安心しろ」
―――え?
頭の上にアクバール様の冷静な声が降りた。思わず私は顔を上げて彼を見上げる。
―――あ、ドン引いてない。
胸に安堵感が流れ込む。良かった。アクバール様の表情からして、偽りではなさそうだ。
「そ、そうなんですか?」
とはいえ、さっきの液体はなんだったのだろうか。私はまだ半信半疑の気持ちが拭えていなかった。
「あぁ、そうだ。ある場所を刺激し続けると、吐液される。別に珍妙な事ではない」
「よ、良かったです。はしたない事をしてしまったのではないかと心配していました」
「気にするな」
アクバール様から躯を覆われて、頭を優しく撫でられる。彼の声色、表情、撫でられている手すべてに安心が出来て、自然と顔が綻んだ。すると、すぐにアクバール様から唇を塞がれる。
「んっ、んんっ…」
舌を絡み取られると、そこから甘い熱が広がり、フワフワとした浮遊感が生まれる。さっきまでの猛々しい行為とは打って変わって、これから雰囲気作りをされるような甘い空気が漂う。
―――気持ち良い。
素直にそう思えた。甘く包まれるような陶酔感が心地好かった。
…………………………。
暫く甘い熱に浮かされていたが、ふと私の下肢に張り詰めた硬い物が当たっている事に気付く。それはアクバール様の一部だ。それに気づいてから、キスに集中が出来なくなっていた。
「あ、あの…」
私はアクバール様から唇を離し、事情を説明しようとした。が、非常に言い難い。私は例のモノに視線を落として合図を送る。素の姿で隆起しているご立派な刺激物だ。すぐにアクバール様はハッした様子を見せた。
―――良かった、気付いてくれたみたい。
と、安堵感を抱けたのはほんの数秒間だけだった。何故なら次の瞬間、私の背中が寝台へ縫い付けられていたからだ。それから両膝を立てられ、そのまま足を左右に大きく広げられる。秘所がアクバール様に丸見え…?
―――え?え?なになにどういう事、これは!
目を丸くしている間にも、私の蜜口にはアクバール様の雄芯が宛がわれていた。やっぱり彼はヤル気満々なのか!
「また挿れる気ですか!」
「嫌か?」
「…分かりません」
問われてなんとも形容し難い気持ちが湧き起こった私はアクバール様から視線を外して答えた。どうしてハッキリ嫌だと言わなかったのか、自分でも不思議に思えた。
「じゃぁ、躯に答えて貰うか」
「え?…ふっ…ぁああん!」
ちゃんと嫌だと伝えておけば良かった…と、後悔するのは言うまでもない。
