Drastic4「咲き乱れる蜜の花」




 オールの言う「ここ」とは膝裏の事でした。いえいえ、そんなバレリーナのように片足を上げて、自ら大事な部分を大っぴらには出来ませんよ?

「あ、あの…」

 私が何か言い掛けたところで、スッとオールの手が伸びてきてしまい、私は言われた通りの体勢となってしまいました。そうです、自ら足を広げて秘部を露出させています。驚愕のあまり、私は二の句が継げません。

 いくらオールが背後にいて秘部を見られていないとしましても、このような姿は羞恥を呼び起こされます。そんな私の気持ちにオールは気付いているのかいないのか分かりませんが、彼の腕が私の秘部へ当然のように伸びてきました。

「ひゃぁっ」

 下着越しからほんの少し指で擦られただけで、私は脳髄に衝撃が走りました。それからクニクニと花芽を中心にまさぐられ、甘やかな快感がジワリと広がっていき、

「あ、あぅ…あんっ」

 熱の発散と共に蕩けた声が零れ落ちていきます。

「だいぶ濡れているな。早く熱を解放させてやらないと」
「んぁっ?」

 背後から何かオールの呟いたような気がしましたが、ジワジワと快感に支配されていた私には聞こえていませんでした。

「んあっ!……あ、あっ」

 私は喉を引き攣らせ喘ぎ声を洩らします。オールの手が私のショーツの中へと這い込み、じかに秘部を弄られます。その大きな手はショーツの中には収まらず、隙間から指がはみ出ておりました。

 その光景があまりに生々しく目を逸らしたいのですが、視線は吸い付けられ、私の呼吸はどんどん速まっていきます。ショーツで隔たりがあるものの、指の動きは感触から十分に伝わってきました。

 そして秘唇はひくつき打ち震えておりましたが、指が秘裂を割って浅い箇所で抽迭を繰り返している内に、より潤沢な蜜が溢れ出て、甘美に溶けていきます。さらにクチュクチュと蜜音が掻き鳴らされ、私の鼓膜を押し付けるように刺激していました。

「はぁんっ、んあっ、あんっ」

 呼吸が熱くなり、掠れた嬌声を止められません。快楽に意識をもって行かれてしまい、足を押さえているのも困難となってきました。いつこの体勢が崩れてもおかしくありません。

 まだこの行為は滑り出しに過ぎませんが、この先を行ったら私はどうなってしまうのでしょうか。今日の私はいつも以上に官能的な気分に陥っています。それは改めてオールと誓い合った愛が大きな影響を与えているのでしょう。

「ふっぁあ」

 指が一番敏感な花芽に触れた時、じかに躯の芯へ刺激を与えられたような衝撃を受けました。その私の過剰な反応によってより行為が深まっていき、意識が愉楽へと攫われ、幾度も甘やかに悶える事になります。

 暫くの間、花芽を中心に嬲られていました。溢れ返る蜜を絡み取って花芽に塗り付けられれば、芯まで蕩かされる感覚が堪らなく、花芽を目にしなくとも迫り出した姿をしているに違いありません。

―――気持ち良すぎてどうにかなってしまいそうです。

 気が付けば、私は快感を拾い上げる事に一心しておりましたが、このまま溺れている事が恐怖にすら思え、一度オールに行為を止めてもらおうと、僅かに顔を振り向かせ声を掛けました。

「オール、もう…」
「あぁ、分かっている」

 オールは私がみなまで言わぬ内に、気持ちを汲み取ってくれたのでしょうか。まさに愛の力と言えます。……ところが、

「ひゃっああ」

 オールの指は膣内の奥へと沈み、激しい抽迭を繰り返されるようになります。これは私が達したいのだと、完全に読み間違えています!

「オー…ル……ちっ…ちがっ……」

 きちんとオールに伝えたいのですが、指が激しく蠢き全く言葉にならず、またオールも行為に没頭していて耳を傾ける様子がありません。さらに彼は私の脇から顔を通し、屹立した蕾を口腔へと含み食します。

「はんっ、あんっ、やぁあっ、はぁあ!」

―――も…う…無理…で…す。

 ここまで来ては高みに昇るしかありません。膣内はグヂュグヂュとうねって飛沫を上げ、しっとりと潤った蕾は扱くように強く吸われ、確実に絶頂へと引き寄せられていきます。

 完全に意識は攫われ、支えていた足はダランと崩れ落ちてしまいましたが、それでも注がれる快感は変わらず熱いままです。迫ってくる甘美な痺れが全身へと駆け巡ってきました。

―――もうっ…限界です!

 そう頭によぎった次の瞬間でした。

「んあぁぁああ――――っ」

 膣内が大きく波打ち、私の躯は大きく弾けて絶頂の声を上げました。膣内はありったけの快感を溶け込むと収縮し切り、その後すぐに弛緩が回って私はスッカリと果ててしまいました。私の達しを感じ取ったオールはゆっくりと私の躯を解放します。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 私はグッタリとなって寝台に躯を埋め、必死で酸素を体内へと送り込みますが、求める量まで追いつかず、倦怠感も半端ありません。そんな私をオールが心配そうに見下ろしている姿にも気付かず、やや経ってから声を掛けられました。

「熱は解放されたみたいだが大丈夫か?」
「はぁ、はぁ、はい、なんとか」

 ようやく正常に呼吸が出来るようになりました。ここまでほんの前戯に過ぎませんが、すっかりと体力をもってかれましたね。

「沙都…」

 オールから艶声で名を呼ばれ、私の心臓がドキリと音を立てます。うつ伏せの横たわる体勢に変えて目線を上げてみますと、オールが私の顔を覗いていました。とてつなく色めき立つ姿で……です。

「もういいか?」
「え?」

 あの、それはもう本番に入りたいという事ですよね?いつもの彼ならもう少し時間をかけて愛撫してくれるのですが、どうしたのでしょうか。微妙に私は違和感を抱きました。

―――はっ!

 躯を密着されて私は気付きました。オールの分身が切迫感に募っている事に…です。こ、これは我慢出来ないという事ですよね。その時、ある事にも気付きました。

―――あ、あら?

 私のショーツが姿を消しているではありませんか!口がポカンとなりましたよ。いつの間に剥ぎ取られていたのでしょうか。手際が良すぎませんか?オールは既に準備万端なんですね。

「は、はぃ」

 このような蚊の鳴くような声で、きちんとオールに聞こえた……ようです!すぐに私の片足は高く上げられます。

「え?」

 ま、まさかまた自分で支えて持っていろとは言いませんよね?その心配はありませんでした。が、オールがしっかりと私の内腿を支え、己の欲望を私の秘部へと宛がいます。

―――ま、まさかこの体勢で挿入しようとしているのですか!

 先程愛撫をされていた時の体勢と同じです。私が僅かに躊躇っている間に、ズンッと勢い良く熱杭が埋没し、膣内に収まりました。

「はっぁあん」

 この体勢だからでしょうか、それともいつも以上に熱塊が大きいのでしょうか、痛みまではありませんが、圧迫感が半端ありません。考えてみれば、このような秘部を大っぴらにした格好で、下からズンズンに突き上げられているのです。

 羞恥で躯が強張り、蜜口が狭まっているのかもしれません。そんな隘路と欲望に滾る熱塊によって、普段では味わえない愉悦と蜜音が生じ、蜜口の緊張は緩和されていきました。それから私はすっかり快楽に心酔します。

「はんっ…あんっ、やぁあっ、はぁあ」

 蕩け切った喘ぎ声を洩れ続けていますと、次第に熱塊の勢いが増し、膣内が大きく揺さぶられます。躯は蹂躙されていますが、それ以上に溢れるばかりの快感が迸り、躯全体へと汗が滲み出てきました。

 私は背を向けているので、オールの表情は分かりませんが、後ろから熱い吐息が聞こえれば、耳朶どころか魂が震わせられ、胸の内が熱く痺れます。そして熱塊は燃え立ち、私の躯は業火されたような熱に浮かされておりました。

 普段のオールであれば、決して自分本位に動きませんが、今日はいつになくとても熱いです。本能に従っていると言いますか。私が普段以上に熱を感じているように、オールもまた高揚感を得たのかもしれません。

 互いが煽情的な気持ちで深く交わり、私は膣内だけではなく心までも激しく乱され、急速に高みまで昇っていきます。二度目の絶頂を感取した私は躯を大きく震わせ、瞼を固く閉じました。その際に膣内を締めつけ、熱塊に強い刺激を与えてしまったようです。

「…っ」

 オールの切迫した声を耳にした時、引いていた熱塊が再び内奥まで深く突き上げられました。刹那、

「ひゃっぁ……ぁああ――――っ」

 熱塊が大きく脈打って蠢き、私の世界は白熱に染まって高みへと昇り切りますと、同時に白濁した精が盛大に散らされました。私の膣内は沸々とした精で一杯になり、ビクビクと波打っています。

「「はぁはぁはあぁ…」」

 私とオールは共に寝台へとなだれ込みますと、互いが息遣いを熱く繰り返しておりました。倒れ込んだ時ですが、オールからフワッと柔らかに抱き寄せられて、甘い幸福感に包まれます。

 吐精したという事はオールも絶頂を迎えられたようですね。彼の熱も解放されて良かったです。そして愛する人と共感し合える事はとても幸福ですね。……って心だけではなく、まだ私達繋がっていますけど?

 膣内にまだオールの熱杭が収まっている質量を感じておりました。刺激的でしょうから、結合部には目を落とせませんが、とんでもない状態になっていませんか?収まり切れなかった精液やら私の蜜が溢れ返って酷く泥濘んでいますよね?

 目にしなくても、その湿り気が肌で伝わってくるほど、とんでもない状態なのが分かります。いつも致した後はこうなりますが、やはり今日は特別に凄いですね。そんな羞恥を抱いている時でした。

―――?

 膣内でグッと圧迫感を感じましたよ?これはもしや…?

「ひゃっ」

 圧迫感の正体に気付いた時、オールが躯を素早く起こしました。その時にグヂュッビヂュとした生々しい水気の音が結合部から流れ、私の耳朶を震わせます。私はうつ伏せの体勢となり、オールは寝台へと手をつき腕を伸ばして、私の躯を覆うように躯を屈みます。

「あ、あの?」

 一瞬で体勢を変えられてしまいました。私は顔だけ振り返ってオールに様子を窺います。えっと、こちらの体勢は次の戦闘態勢へと入っていませんかね?私の中で収まっている楔が、再び炎上し始めたように感じるのですが?

「沙都、済まない。熱が収まらない」
「え?」

 済まなさそうな表情をするオールですが、眼差しは轟々に色めき立っています!や、やはりオールは次のステージへ行こうとしていました。私は呆気にとられている間に、オールは私の臀部へと両手を添え、左右に割ります。

「え?あ、あの?……ひゃっああん」

 熱杭が引かれたと思いきや、次の瞬間には勢い良く穿たれ、私は衝撃によって息を大きく吐き出しました。

「あんっ、んあっ、はぁあんっ」

 熱塊から雄々しい生命力を感じ、突き刺されるような形で抽挿が行われます。既に先程の交じりで、有り余る程の潤骨油が生み出されていた為、激しい抽挿さえも私の躯は喜悦に痺れて、蕩け切った声が溢れます。

 酩酊めいていしている間に、口元がダランと緩み、糸を引いておりました。そのようなはしたいない姿になるまで、快感に溺れていたのです。この時点で私は忘我の境に入っていました。そこにです。

「ひゃっあ!」

 私の耳の中にオールの滑り切った熱い舌が入り込んできました。私の快感を高めるように、故意に淫らな水音を立てられ、私の躯は甘美にプルプルと打ち震えます。これでは達する前に違う意味で、昇天してしまいそうになりますよ。

 性の香りに鼻腔がくすぐられ、脳内は完全に蕩け切っています。脳にも躯にも至る所すべて快感に網羅され、私は法悦に浸っておりました。意識が快感に吸い取られ、私は三度目の高みが昇り詰めてきた事に気付きます。

 既に二度ほど絶頂を味わい、感覚が鈍っているのではないかという心配は不要のようで、躯は貪婪どんらんに絶頂へと昇っていきます。熱が激しく迸り、全身は汗に見舞われ、沸々と燃え立っていました。

―――あぁ、もう……。

 グッと膣内が収斂しゅれんし、オールにも私の絶頂寸前が伝わった筈です。このまま追い込まれて、最後にラッシュをかけられると思っておりましたが、予想外の出来事が起こります。

「ひゃっあっ」

 オールは私と結合したまま、私の躯を引っ張り上げたのです。視界が急転した私は何事かと目を白黒させて視線を彷徨わせますと、間近にオールの美顔があり、思わず呼吸が止まってしまいました。

 夫婦といえど、ここまでドアップで夫の顔があるというのは頰に含羞の色が浮かびます。恥じらいから私は顔を伏せましたら……また驚きの声を張り上げそうになりました!まだ繋がっていました、私達!

 今、私はオールに背を向けて彼の膝の上に腰掛けています。……繋がったままです。これは背面座位の体勢ではありませんか!オールは器用に体勢を変えたものです。…って感心している場合ではありません!

 あわあわと慌てふためく私をよそに、オールは色香を湛え、深い口づけを交わしてきました。すぐに口内にオールの舌が潜り込み、私の舌と濃厚に絡みますと、一時的に引いていた沸々とした波が再び湧いてきました。

 そうでした。先程、私は絶頂寸前までいきそうで達する事が出来ませんでした。その熱はまだ躯に残っていてジワジワと快感を求めて広がっていきます。互いの舌は密に絡み合い、圧迫されながらも甘く溶け合っています。

 オールの大きな手は私の乳房を包み、楕円を描くように揉みしだかれ、私の心音はドクドクと波打ちます。私の反応が上がっていきますと、胸の頂を甘く嬲られるようになり、私の口元から蕩け切った声が零れるようになりました。

「んっ、あぁ、はぁ…あんっあん」

 躯全体に快感が行き届きますと、確実に私の息は上がっていき、気が付かない内に腰が淫らに揺らめいていました。そのような姿の自分を目にして、羞恥に燃え上がりそうです。ですが、どうしようもない快感に支配され、腰の動きを止められません。

 オールからも艶めかしい吐息が洩れるようになり、膣内に雄芯が急に膨張したように圧力がかかりました。そこからオールの中で何かが弾けたのでしょうか。突然オールに腰をグッと押さえつけられ、欲望に滾る己の分身を突き上げられました。

「ひゃっあっ、い、いきなり」
「刺激してきたのは沙都の方だ」

 どうやら私はまた知らず知らずの内に、オールの楔を締めてしまっていたようです。

「そ、そんな事は……あんっ」

 私の躯は弾むように揺れ動き、視界がチカチカ閃きます。驚くのも束の間、オールは楔を打ち込むだけではなく、胸の頂や秘部の花芯まで執拗に嬲ります。

「はんっ…あんっ、やぁあっ、はぁあ!」

 よがり声が室内に響き渡ります。底知れぬ快感に私の躯は蹂躙され、私は呼吸をするのも忘れて快楽に溺れていました。蕾も花芯も充血したように真っ赤となり、酷くしこった姿に変わり果てています。

 濃密な蜜と精液が溶け合って、官能的な蜜音が弾き、結合部からは溢れんばかりの情液が滴り、私の興奮は極点へと達しました。全身は長距離を走った後のような汗塗れになっています。

「オー…ル…もう私……」

 私は声を絞り出し、確実にり上がってくる絶頂に全身をプルプルと震わせます。

「あっ…ぁああ―――っ!」

 私の躯は弓なりにしなり、目眩めぐるめく快楽に意識ごと呑まれて絶頂を迎えました…。





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