Loop6「蜜よりも濃く甘い時間を共に」




「ふあっ、んあっ、あん」

 色声が溢れるように口元から零れる。熱を孕んだライの舌が秘所に触れると、躯がジーンと痺れて、どんどん息も熱も鼓動も上がっていく。呼吸がまともに出来ないというのに、高揚している自分の躯がマジおかしくなったんじゃないかと不安になる。

 でもそんな事よりも快楽の方が圧倒的に上回って、不安を塗り潰していく。こんな場所に舌を這うなんて、ちょっと知識で知っていても、本当にやるなんて信じられないじゃないか。女はこんな羞恥を受けるのか。

ライの舌は繊細な動きをして秘所を震わせていた。舌を慣らすようにゆっくりとなぶり、浸透させていく。次第に秘所から何かが滲み出てくるのを感じて、オレは違和感を覚えた。すると、ライがオレの秘所から顔を上げて問う。

「きちんと濡れてきてるな。ちゃんと感じているか、レイン」

 そんな事を訊くなよと、オレは言葉ではなく目力で訴える。鼓膜を溶かすような甘い声で言われ、それだけで鳥肌が立つように震え上がっていた。なんだよこれ。それと素直に感じているなんて言えるかよ。

「わ、分から……ない」

 オレはツンとなって心とは裏腹に答えた。

「初めてだと感覚が麻痺しているのかもな」

 ライは機嫌を損ねる様子もなく、きちんとオレの反応を分析していた。

「でも濡れているし、オレを受け入れようとしてくれているんだよな」
「!!」

 ――す、凄いポジティブだぞ!

 オレにはなにがどう受け入れているのか分からないが、とても今のままじゃ、アレは入らないじゃないのかな。

「続けるな」

 ライは甘い微笑みを見せて、またオレの秘所を舌で愛撫し始める。今度は親指でグッと秘唇を左右に開き、舌を内部へと差し込んでいく。

「あんっ、いやっ……それは……だ、駄目っ」

 オレは本当に女になったような感じで嫌々を口に出す。いや、実際女にはなっているんだけど、喘ぎ声が本当に女そのもので怖い。怖いと言えば湧き出る泉のように快感が巡ってきて、頭がどうにかなってしまいそうだ。

「あんっ、あぁ、んあっん」

 喘ぎ声で呼吸が乱れて苦しい。それに対してライの舌は勢いを増していき、まるでオレの声に反応して動きが深まっているみたいだ。確実に内部には馴染んでいって、ひっきりなしに快楽を生み出している。

 自然と腰が浮き上がってオレは逃げ場を求めるが、ライの腕に足を押さえ込まれて身動きを封じられ、その場でビクンビクンと躯を跳ね上げて悶えていた。そこに突如、バチバチと瞼の奥に閃光が弾けた。

「ふあっ!」

 躯が大きく仰け反り、オレは天井へと向かって叫ぶ。

 ――な、なんだ今の強烈な快感は!

 今の悦楽の正体が分からないまま、次々と責められていく。

「んあっ、や、やぁっ」

 制止しようにも言葉にはならず、喘ぎ声にしかならない。ライはある場所を重点的に責めていた。そこに触れられるとブワッと愉悦が膨れ上がって、オレの意識が飛びかけそうになる。

 ――そこは禁断の場所なんじゃ!

 オレは霞んでいる意識の中でそう思った。

「やっぱりここ・・は感度が良いな。気持ちいいか?」

 ライから問われるが、ここ・・が何処なのか全く分からないんだよ!

「頭の中が何度も弾けて妙な感覚がする」

 オレは情けないぐらいグスッとした声で答えた。
「それでいいんだよ。ここは一番繊細で感じる場所だから、強い刺激があって当たり前なんだ」

 ライの言葉を聞いて、やっぱりそこが一番感じやすい陰核なんだと確信した。

「なぁ、レイン。もっとか?」
「え?」

 もっとかってどういう意味だ? オレが首を傾げていると、

「もっと舐めて欲しい?」

 ライが言葉を添えてもう一度問いてきた。カァア――と、オレの全身が熱に覆われていく。

「ど、どうしてそう恥ずかしい事ばっか訊くんだよ!」
「嫌? じゃぁもうしない?」
「……っ」

 オレは返答に窮する。なんなんだ、今の聞き方は! ライの口調は物柔らかなのに質問が意地悪じゃないか!

 …………………………。

 オレが答えないままでいると、ライは痺れを切らしのか禁断の陰核を舌で転がす。

「んあっ」

 ほんの少し触れただけでビリビリと鮮烈な快感が渦巻いた。

「ほら、どうするレイン?」

 ライの上目遣いの視線は欲情に漲っている。オレは恥ずかしさ極まりなくて、答えたくないのに躯がズクズクと疼きまくって、早く熱から解放されたかった。ビリビリと鮮烈な快感が渦巻いた。

「……め……て」
「え? なに聞こえない」
「……っ。もっと……な、舐めて」

 オレはワナワナと唇を震わせて答えると、意識が飛ぶようなあの快感が襲ってきた。

「んあっ!」

 オレは短く喘いで息を切った。ライの舌が尖らせて敏感な突起を突っついたり、捏ねくり回すようにねぶったり、時折絡んで吸い付いたりして、オレに呼吸するも与えずに責め追う。

「あんっあんっ、いやっあんっ」


 もう嬌声が止まらない。快感が集約していって膨張していく。このまま膨れ上がったら、一体何処に辿り着くのだろうか。その答えは既に目の前まで来ていた。

 ――なにかがくる!

 今まで体感した事のないとんでもない大きな感覚、それはライに触れられている部分から、みるみる上に勢い込んできて、オレの躯はピクピクと痙攣を起こす。

 ――躯からなにかが爆発しそうだ!

 そう思った瞬間、躯がピンと張って意識が未知の世界へと放り投げられ、同時にぶわっと大量の熱から解放される。途端に躯の力は抜け切っていた。オレは呼吸が正常に回らなくて肩で息をする。

 色々初めてな事ばかりだけれど、さっきの得体の知れない感覚は怖い。体力に自信があるオレでも、今は躯がグッタリとしている。なんて危険を孕んだ行為なんだ! と、オレはプンプンとなっていた。

「良かった。ちゃんとイケたみたいだな」

 ライは満足げな顔でオレを見下ろし言った。

「はぁはぁ……イケたって……なんだよ……それ?」

 オレは切れ切れの息でなんとか言葉を紡ぐ。

「知らないのか? さっき躯が快感に昇華されただろ?」
「ふぇ?」

 オレは間抜けな声を出してキョトンとなった。そして思い出す。

 ――もしかしてさっきの感覚が……イクッて事なのか!?

 口で答えるよりも、自分の慌てふためく姿でライへの答えになっていたようだ。ライはクククッと面白げに笑っている。その笑い、ディープキスの時に鼻呼吸が出来なかったオレを見た時もしてた。

「初めてだと躯が硬直しているのもあって、感度が良くない場合もあるから心配していたんだけど、レインにはその心配が不要だったみたいだな」
「な、なんだよ、それ」

 ライの言葉にまた辱められているような気分になって、オレは文句を零す。

「いい意味で安心してるんだって」
「うっ」

 そう言われて何も言えなくなった。

「それといい感じに濡れてきたな。このままもっと中を広げよう」
「え!? ま、まだやるのか!?」

  オレは素っ頓狂な声を上げる。

「とてもじゃないけど、まだオレのは入らないぞ」

 ライは苦笑いをして答えた。どんだけご立派なんですか、貴方のは。……確かライの見た事があるな。

 ――立派だったな。あれが聳え立ったら……す、凄いだろ! 想像を絶する!

「レイン、足を開いて」
「え?」

 また何を言い出すのですか? ライが甘ったるい声でお願いしてくるけど、自ら股を開くって何の羞恥プレイだ!

「や、やだよ」
「さっきみたいに気持ち良くなりたくないか?」
「……っ」

 なんて事を聞いてくるんだ! 甘い毒のような誘惑だよ。オレは答える事も、微動だにする事もせずにいると、スッとライの長い腕がオレの秘所へと伸びてきた。オレはビクッと反応したが、腕を除けようとはしなかった。

「お、おいっ」

 ライの手が当たり前のように秘所の中へと潜り込んできて、オレの足を開かせようとした。オレは焦って止めようとしたが、すぐに悪戯を始められる。

「ふあっん、あんっ」

 秘所の表面を軽く擦られ、オレは瞬く間に蕩けた声を零した。躯が恐ろしく敏感になっている。それから指が秘唇を割って膣内へと入ってきた。その時、クチュッとした水音が鳴ってオレの耳朶を震わせた。

 そしてグッとかかる質量感にオレは息を詰める。たった一本の指なのに異物感が半端ない。舌を入れられた時とも感じが違う。オレがまた未知の感覚に戸惑っていると、指の抜き差しが始まった。

「んあっん」

 より圧迫感がかかって呼吸に負担がかかる。指が往復するたびにクチュクチュと生々しい淫音が耳奥にまで響いて躯の疼きを高め、知らず知らずの内に足が開いていく。ライには秘所が丸見えの状態だ。

「やんっ、あんっあんっ、んあっ」

 呼吸を求める声がなんて淫らなんだ。躯中の気持ちいいが口先から溢れている。オレの声が深まれば深まるほど、指は内奥へと沈んでいき、内側から快感を引き出すように抽迭を繰り返す。

 グヂュヌチュと勢い良く弾かれる水音が、なんて恥ずかしいんだろうと思う一方で興奮してしまう。こんなクチュクチュと淫猥な音が鳴るなんて知らない。その水音はどんどん大きくなっていって、オレの興奮度を上昇させていく。

「指一本増やすな」
「ふあっ!」

 ライがなにかを言った後、すぐにググッと膣内に重圧が増し、胸がギュッと押されたような感覚が起こった。

「二本目も無事に入ったな」

 ライのホッとしたような、でも欲を孕んだ表情は肉食獣のように鋭く少し怖く思えたが、オレへの気遣いは忘れない。

「苦しくないか?」

 オレはフルフルと首を横に振って応える。

「じゃあこれは?」
「んあっ!」

 いきなりライは淫技している手をクルクルと回転を始める。かと思えば膣内で掻き回したりと抜き差しされるよりも動きが激しく、オレはけたたましい声を上げて悶える。

「どう?」

 ライはせっついて訊いてくるが、いちいち言葉にさせようとしないでくれ。

「レインの腰、自分から動いてんな。かなり感じているみたいだ」

 分かっているなら、いちいち訊いてこないでくれ。オレは喘ぎながらも心の中で突っ込んだ!

「膣内もだいぶ蜜で溢れ返っているし、これならイケそうだな」
「あんっ?」

 ――な、なにがイケそうなんだ?

 乱れる呼吸と闘っていたオレだが、今のライの言葉が妙に耳に纏わりついた。本能がなにかが起こると警告する。刹那、ライの纏う空気が鋭く変わり、オレは息を呑んだ。

「ふっあああんっ」

 また淫技の動きが変わり、膣内に激しい嵐が吹き荒れる。ライがオレの上へと屈んだ体勢となって激しい抽迭を始めたのだ。

「はっん、あんっあんっ、ふっああん」

 酸素が追い付かない。それほど指がガンガンに攻め込んできて、オレはライの首に腕を絡んで縋り、声高を洩らし続ける。

 ――い、痛い!

 焼き尽くされるような痛みが幾度も迸り、膣内が悲鳴を上げていた。オレは目を眇めながら、獰猛な動きをしているライの腕を見つめる。あれだけ猛々しい動きをしていれば、膣内が痛いのは当然だ。

 ――でもなんで痛いを快感に思うのだろう。

 痛くて痛くて仕方ないのに、やめて欲しいとは思わなかった。痛いのが快感に思うなんて、オレの気がおかしいのか、それともライのテクが見事なのか分からない。次々と重ねてくる喜悦の波に、またあの感覚・・・・が襲ってくる。

 ――あぁ、またあれ・・がやってくる!

 再び躯中がピクピクッと収斂し、あの官能を極めた感覚が高みまで昇ってきて、白熱の世界が垣間見えた!

「ふあっ……ぁああん!」

 背中はしなり、世界が真っ白に塗り潰された。次の瞬間からオレの意識は途切れ途切れとなって、自分がどうなっているのかも分からなかった。ただ膣内にガッチリと埋まっていた質量がなくなったを感じた。

「レイン大丈夫か?」

 グッタリと仰向けに倒れているオレを心配そうにライが声を掛ける。

「はぁはぁはぁはぁ……」

 オレは呼吸をするのがやっとだった。とても答えられそうもない。そんな姿のオレを見て、ライは何を思ったのか、色めいた表情で、またとんでもない事を訊いてきた。

「そろそろオレの挿れたくなった?」
「!?」

 ――ライは、な、な、なにを言い出した!?

 オレの挿れたくなったとか言わなかったですかぁああああ!? オレは呼吸の整えなんてぶっ飛んで衝撃を受けた! 

 ――挿れたくなったのは貴方の方じゃないんですか!?

 そう心の中で盛大に突っ込みを入れていたのだが、

 ――コクン。

 と、頷いた自分がいた。

 ――………………え?

 なに今の頷きは? 自分の取った行動が信じられなかった。オレは目をパチパチさせて、今の行動を分析しようと試みたのだが、その時のライが既に服を脱ぎ始めていたから、ビックリ仰天だ!

 ――待て待て待て待ってくれよ! ライさぁ~ん!!

 今のは反射的に頷いてしまっただけで、オレは、つ、繋がろうなんてこれぽっちも思って……。

 ――うわっ! 見事な肉体美!

 眼前にライの裸体があって、その骨組みの逞しい見事な躯を惚れ惚れと見つめる。男の頃でも見た事のある肉体美なのに、今改めてみると物凄く胸がドキドキと高鳴るのはなんでだろう。

「レイン、オマエも脱いで」
「へ?」

 なんて間抜けな声を出したオレの腕をライは掴んで服を脱がせようとする。

 ――ちょっ、ライ! 恥ずかしいからやめてくれ!

 って言って行動を止めようと思ったのに、何故かオレはライの為すがまま万歳をさせられて服を脱がされてしまった。なんで自分がこんなに素直に従っているのか分からない。そしてオレは一糸纏わぬ姿になって尻込みする。

 ――このまま本当にライと本当に繋がってしまうのか?

 想像するだけで鼻血が出そうな展開じゃないか! やっぱりそんなの無理だ!

「レイン……」

 ライから最高に甘やかな色声で名を呼ばれて、頬に手を添えられる。無理だという考えが瓦解されていく。それからチュッと唇に軽くチューを落とされて、オレの躯が寝台へと流れるように落ちていった。





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